Words

From「HOMMAGE」


「輝きは」

ただ君は 悲しみに 沈んでいたのに
ただ僕は 苦しんで もがいていたのに
みんな 輝きだ
まるで夢の中

ただ君は 渦の中 叫んでいたのに
ただ僕は 雨の中 震えていたのに
みんな 輝きだ
まるで夢の中

どこかで誰かが呼んでいるよ
どこかで誰かが呼んでいるようだ

戻りたい 戻れない
戻りたい 戻らない
守りたい 守れない
戻りたい 戻れなくていい

小さな手 鉄棒を 何度も握った
大きな目 行かないで 去る手を握った
ああ 輝きは 
まるで夢の中

どこかで誰かが呼んでいるよ
どこかで誰かが呼んでいるようだ

戻りたい 戻れない
戻りたい 戻らない
守りたい 守れない
戻りたい 戻れなくていい
戻らなくていい

季節終え 頼りない新しい風と
木漏れ日を浴びながら
瞳を細めて

ああ 輝きだ




「闘っていたレコード」

さよなら 破れた普通の可能性
さよなら 古びた馴染みの言い訳

足跡はないけど 積み木は残っていた
いつまでも変わらず レコードは闘っていた

僕らはそれを知っていた

さよなら さびれた希望の抜けがら
さよなら こぼれた卑屈なため息

確信はないまま 探し物をしてた
レコードが闘う 何もない地平線で

僕らは前へ一歩踏み出す




「IN HAIKU」

杯、高い空に

背、広い闇に

灰、星の粒に

盃、満ちる月に

輩、遊ぶ二人

配、黒い瞳

廃、風の憂い

敗、遠い空に

I can't reach galaxies where the girl points at her finger
At her finger
Her finger

I can't reach galaxies where the girl points at her finger
At her finger
Her ···

拝、高い空に

肺、響く声に

胚、揺れるつぼみ

俳、遠い空に

I can't reach galaxies where the girl points at her finger
At her finger
Her finger

I can't reach galaxies where the girl points at her finger
Her  finger
Her ···


“ 指から先の 少女の銀河 辿りえず ”




「高みの見物」

干からびた旧態依然の中の人
高みの見物で痛みはないんだろ

隠さないでいいよ
その手を見せてよ
強くなって何を取り戻すの?
くり返すな

ひび割れた現実を操る人
高みの見物で他人事のように

隠さないでいいよ
その顔を見せてよ
うすら笑み浮かべ搾取する
ウソつくな




「MK ウルトラ」

何もないところなのに
まるで何かがあるようだ
さあ人は見えないものを信じるか

誰も知らないうちなら
すべてごまかせてしまう
さあ行こう 
見えない怪獣退治

はい君は銃を撃て
はい君は戦闘機
はい君は毒をまけ

何のため

先に見つけたと言えば
すべて自由にできるのか
そして見えない線を求める

はい君は銃を撃て
はい君は核兵器
はい君は毒をまけ

何のため

はい君は銃を撃て
はい君は戦闘機
はい君は毒をまけ

何のため




「騒音」

騒音 悲しい現実だ
どこまでいっても届かないなら

このやさしい旋律も
飽くまで雑音に聞こえてしまう

どこかで見かけた影を追って
居心地いい場所で戯れる

そのかしこい感覚で
馴れ合いの中ではしゃげばいい

どこかでよく似た影を追って
馴染みの空気に安堵する

でも僕らはいつまでも
馴染みのないもの鳴らしていたい
探していたい




「MORNING VIEW」

階段を登り
彼女は雲の切れはしを手に取った
そしてそれをそっと空に浮かべて
しばらくは眺めていた

空の中で落ち着いてみれば
色んなものが見える気がする
雲のそばにいれば何となく
色んなことがわかる気がする

陽だまりの中にあるものは
必ずしも求めているものではなかった
明るく照らされていることが
必ずしも歓迎できることではなかった

彼女は
カラカラに乾いたそれらを
意味もなく濡らしてみたくなって
空に浮かべた雲の切れはしで
雨を作った

たちまち全部濡れた
たちまち全部濡れた

途切れることなく降り注がれる
線のような雨の残響は
まるで
エレクトリックギターの弦が放つ
洪水というノイズ